今回も「アクセサリー基礎知識」を進めていきます。
と書いてきましたが、金、銀とくれば当然プラチナの事を書かないわけにはいきません。
アクセサリー基礎知識
今回はプラチナについて詳しく書いていきましょう。
プラチナ(platinum・Pt)について
原子番号78番目の元素。元素記号はPt。
日本では白金とも呼ばれ、科学的に非常に安定しているため、酸化、変色しません。
そのため装飾品として多く使われる一方、触媒として自動車の排気ガスの浄化に使われるなど、工業的な面でも多用されています。
「白金」と書きますが、「ホワイトゴールド」とは違います。
プラチナは単体。ホワイトゴールドは金にパラジウムなどを混ぜた金合金で、全く別の金属なので誤解ないように。
あえてホワイトゴールドを日本語で書くとしたら、「白色金」となります。
プラチナの表記は1000分率
金は24分率、銀は1000分率(パーミル – ‰)で表記される、と書いてきました。
ではプラチナはどちらか、と言うと、1000分率表記なんです。
プラチナの純度は「Pt」で表記されるため、純プラチナ(その他の金属が混じっていない状態 – 正確には99.95%)をPt1000と言い、他の金属が混じって純度が下がるごとに数字が小さくなっていきます。
例えばPt950(プラチナの純度95%の合金)や、Pt900(プラチナの純度90%の合金)など、表記としてはシルバーと同じと言えます。
さて、プラチナもゴールドやシルバーのようにアクセサリーやジュエリー向けには他の金属を混ぜたものを一般的に使用します。
理由は他の貴金属同様、純プラチナの状態では強度が弱いため。
さらに、純プラチナの状態は色が黒っぽく、結婚指輪などで使用するためにはパラジウムなどを混ぜて硬く、そして白くする必要があるためです。
プラチナはシルバーと比べると黒っぽい白色(表現が矛盾していますが)。
素材としては非常に粘りがあり、傷なども(多少は)付きにくいです。
プラチナの純度による違い
プラチナにも様々な純度がありますが、代表的なものを紹介していきましょう。
Pt1000
まずはPt1000。つまり他に混ぜ物の入っていない純プラチナ。とは言え、全く完全に100%純粋なプラチナというものは存在しません。
99.95%以上であれば純プラチナと呼びます。
こちらもシルバー同様、昨今ではPt999と表記するのが正しいようです。
上記にもありますが、純プラチナの状態は柔らかく傷がつきやすく、また色が黒っぽいため、アクセサリーやジュエリーとしてはあまり使用されません。
が、全く無いかというとそんな事は無く、純プラチナのアクセサリー(ネックレスなど)は確かに存在します。
Pt950
95%プラチナ。残りの5%はパラジウム。
プラチナの国際的広報機関として知られる「プラチナ・ギルド・インターナショナル」では、プラチナジュエリーの国際基準をPt950以上としています。
そのため、海外の高級ジュエリーブランドではPt950を良く使用します。
Pt900
90%プラチナ。残り10%はパラジウム。
Pt950よりも純度が低いため、硬く傷がつきにくいです。
また、加工のしやすさなども手伝って特に日本では指輪に多く使用されます。
Pt850
85%プラチナ。残り15%はパラジウム。
純度が低いので硬く、チェーンなどに多く使用されています。
アクセサリーやジュエリーに使用されるプラチナの純度としては上記3種類が一般的ですが、昨今流行の華奢で細めの結婚指輪でも変形してしまわない様、さらに強度を高めた「ハードプラチナ」も存在します。
ハードプラチナ
プラチナの割金として一般的なものはパラジウムですが、ここにルテニウムを1〜2%混ぜる事で、非常に硬くなります。
様々なブランドから様々な名前でオリジナルの配合のハードプラチナが出ていますが、概ね通常のプラチナ合金の2倍くらいの硬さがあると言えます。
そのため変形しずらく傷つきにくいですが、サイズ直しなどの加工が困難な場合もありますので、購入の際はそういった辺りも可能なのか、要確認です。
ここまで書いてきて、フと気になった事があるので思い付きで書いてみます。
ゴールドにもシルバーにもカラーもの、例えばピンクゴールドなどがありますが、プラチナには無いですよね。
それはなぜでしょうか?
色々と調べてみましたが、特に詳しく解説している資料もなく。
なのであくまでも推測ですが、プラチナの場合は基本的に純度が高く(850以上)、その他の地金を入れても大きく色が変わらない上に、おそらく強度の問題が出てしまうのでは無いか、と思います。
プラチナにはパラジウムやルテニウム、コバルトなど強度の高い割金が使われますが、他の地金では満足な強度が得られないのか、それとも発色が悪いのか?
はっきりとした理由は分かりませんが、何かしら問題があってカラープラチナ、というものは存在しないんだと考えますが、もし詳しい人がいたら教えてください(笑)
少し脱線しましたが、プラチナに関する記事は以前も少し書いていますので、そちらも参考にしてみてください。
やはりプラチナは結婚指輪での製作が多く、そういった意味でも特別感のある素材ではありますが、ここ数年はゴールドよりもかなり相場が安いので、実は手に入れやすい素材だったりもします。
2人の一生物の大事な指輪としての製作はもちろんですが、日常使うアクセサリーとしてプラチナを選ぶのもオススメですので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせください!
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