アクセサリー基礎知識として
と書いてきましたが、今回からは素材ごとにフィーチャーして詳しく説明していきたいと思います。
という訳で、早速いきましょう。
アクセサリー基礎知識
アクセサリー基礎知識第3回の今回は金、つまりゴールドに関して書いていきます。
金(GOLD・Au)について
原子番号79番目の元素。元素記号はAu。
金、つまりゴールドは装飾品として人類が利用した最古の金属で、工芸品などにも多く使われています。
色は輝く黄色、つまり金色。金属としては重く、そして柔らかく、展性や延性(叩いても割れずに伸びる性質)が良いので、非常に薄く延ばして利用することもできます(=金箔等)。
さらに耐腐食性が非常に高く、酸化、変色しにくい事もあり、アクセサリー、ジュエリーとしては非常に好まれて使用されてきました。
金の表記は24分率
金は24分率で表記されます。
つまり、他の金属が混じっていない純金(99.99%)を24金、他の金属が混じり、金の割合が減る度に数字が減っていく、という訳です。
例えばジュエリーでよく使用される18金は18/24で75%金、残りの25%は別の金属が混じっている合金です。
他にも22金、14金、10金、9金など様々な純度、割合の金合金(きんごうきん)が存在します。
具体的な割合は以下の通り。( )内がその合金における金の割合です。
- 24金 ー K24(99.99%)
- 22金 ー K22(91.7%)
- 20金 ー K20(83.4%)
- 18金 ー K18(75%)
- 14金 ー K14(58.5%)
- 12金 ー K12(50%)
- 10金 ー K10(41.7%)
- 9金 ー K9(37.5%)
- 5金 ー K5(21%)
ジュエリーの表記としてはK24、K18、K10など、Kが頭につき、その後に数字が入るのが一般的です。ただ、これは日本での表記。
例えばアメリカなどでは「18K」のように数字が先に来る場合や「417kar(=10K)」など1000分率で表す場合など、表記が変わる事がありますので、注意が必要です。
ちなみに、Kとはなんでしょうか?
K(karat・カラット)とは
karat(カラット)とは、金の純度を24分率で表す単位の事。つまり純金は24カラット。
金(kin)の頭文字ではありません。
さらに言うと、宝石の重さを示すcarat(キャラット)とは違うのでご注意ください。
※caratに関してはまた後日記載予定です。
こんな風に様々な純度の金が存在する訳ですが、ではそれぞれどんな違いがあるのでしょうか?
金の純度による違い
24金
まずは24金。つまり純金。正確な純度でいうと99.99%。
ほとんど他の素材、つまり不純物が入っていない純粋な金と言えます。
金は上にも書いた通り展延性が非常に良いので、薄く延ばして金箔などにして使用する事があります。
ちなみに純金がどのくらい柔らかいのか?イメージが湧きにくいと思うので、具体的な事例を一つ。
これは知人から聞いた話ですが、とある依頼で製作した純金の日本刀があったようですが、それを横にして置いておくと、自重で徐々に曲がっていってしまったようです。金の重さ&刀の長さによるものですが、それくらい純金は柔らかいんですね。
製品としてはインゴット(金塊)やコインなど、主に資産として用いるものに加工される事が多いです。
22金
91.7%金の22金。
純金よりも丈夫なのでジュエリーに使用されますが、金の割合が多いため比較的柔らかいです。
金が多い分(当然ですが)金の色が濃く、より純度の高いものを求める人に好まれます。
18金
続いてジュエリーで最も使用される18金。
75%が金で残りの25%が別の金属です。
純度も割と高く、加工のしやすさ、そして適度な硬さを持つため、ジュエリーのみならず時計などにも使用されています。
14金
14金は59%ほどが金。
18金以上の純度のものと比べると硬くジュエリー向きではありますが、金の色味が薄く、また不純物が多くなるため変色のリスクも増えます。
10金
約42%が金の10金。
近年金の相場が高騰し続けていることもあり、純度を下げた10金が登場しました。
純度が低いため金の色味は薄いですが、加工のしやすさ、そして価格の安さから人気です。
上記のように純度によって色味、硬さ、そして価格が変わってきます。
純度が下がるほど金属アレルギーが起きるリスクが高くなりますので、着用の際には注意が必要です。
ちなみに、現在の金相場はいくらかというと。。。
本日の金相場2019-07-04
1g 5,334円。
近年はグラム5000円前後と高いまま推移しています。
ちなみにプラチナは1g 3,254円。以前はプラチナの方がかなり高かったんですが、ここ数年は金の方が高く、プラチナは落ち着いています。
金はアクセサリーやジュエリーとして、という部分もありますが、資産として保有する場合も多く、やはり非常に高額なものになりますね。
オーダーメイドアクセサリーでご依頼の場合は資産という意味でも、一生物とお考えいただくのが良いかと思います。
少しアクセサリーから離れた話になってしまいましたが、戻しましょう。
ジュエリーとして使用されるゴールドは金色、つまりイエローゴールド(YG)が一般的ですが、他にもホワイトゴールド(WG)やピンクゴールド(PG)など、色々なカラーのゴールドがある事はご存知だと思います。
では、いわゆる金色のものではないカラーゴールドは一体どうやって出来ているのでしょうか?
カラーゴールドに関して簡単に解説します。
カラーゴールドについて
ゴールド自体の色はいわゆる金色で、もともと色のついたゴールドがある訳ではありません。
いわゆる金色のゴールド(イエローゴールド)以外のゴールドは金以外の金属を混ぜることで色を変えているんです。
例えば18金であれば25%の「金以外」の金属。それを「割金」といいます。
割金に関して
割金(わりがね)、つまり金合金の「金以外」の金属ですが、この配合によって色を変えています。
〜ここでは18金を例にそれぞれ配合を書いてみます〜
一般的な18金イエローゴールドは75%が金、12.5%が銀、12.5%が銅となっています(5:5-五分割り)。
この銀や銅の配合比を変える、またはその他の素材を混ぜることで、地金の色を変化させるわけです。
18金イエローゴールドでも、銀を10%、銅を15%(4:6)の「四分割り」や、銀を15%、銅を10%(6:4)の「逆四分割り」などがあり、それぞれ色味が違います。
例えば銅を多く混ぜると銅の色、つまり赤味が強くなるわけです。
金を75%、銀を5%、銅を20%の配合比のものをレッドゴールドやローズゴールドと言います。
このレッドゴールドはかなり赤みの強いゴールドで、そこにパラジウムを混ぜることで白味を足し、ピンク色にしたものがいわゆるピンクゴールドです。
ピンクゴールドは75%の金に対し、銀、銅、パラジウムの割合がそれぞれ5%,18%,2%程度(多少の変動があります)となっています。
そしてこのパラジウムを12.5%、銀と銅をそれぞれ6.25%づつ混ぜたものをホワイトゴールドと呼びます。
他にも金75%に対して25%の銀を混ぜたものをグリーンゴールドと呼んだり、ホワイトゴールドでもパラジウムを減らし、銀の割合を増やしたものをシャンパンゴールド、と呼んだりします。
このように、割金の配合を変えることで地金自体の色を変え、それぞれの用途に合わせて使用している訳です。
18金だけでも上記のように様々な配合がある上に、22金、14金、10金など金の割合も地金によって変わるので、その組み合わせはほぼ無限大と言えます。
そして、当然混じる金属の割合が変わると硬さなども変わってきます。
金の硬さに関して
基本的には銅の成分が多いものほど硬く、次いでパラジウム、銀が多いほど柔らかくなります。
単純にその素材自体の硬さとして、銅が最も硬く、銀が最も柔らかいためです。方移動を多く混ぜればそれだけ硬くなる、という訳。
なので、レッドゴールドやピンクゴールドはグリーンゴールドに比べるとかなり硬く、変形や傷がつきにくい訳です。
金自体の純度の変化によっても当然地金の硬さが変わります。
上にも書いた通り、純金は非常に柔らかい訳ですが、金の割合が多いほど柔らかく、純度が低いほど硬いんです。
なので、アクセサリー、ジュエリーとして考えると、金の純度が高い方が良い、と一概に言えないんですね。
ちなみに、この辺りの呼び名や配合比に関しては業者ごとに違ったりしますので、表記には多少注意が必要です。
と、長々と書いてきましたが、金に関しては以前の記事でも色々と説明していますので、興味のある方はそちらも見てみてください。
ゴールドの表記について
カラーゴールドについて
逆四分割りのペンダントトップ
グリーンゴールドのペンダントトップ
今回は素材に関しての初回ということで「金(GOLD)」に関して説明してきました。
次回は、銀?それともプラチナ?どちらかに関して書いていきたいと思います。
という訳で次回もお楽しみに!
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