さて今回も彫金作業で使う工具類の紹介となりますが、さすがにそろそろ飽きてきたところだと思いますので、大まかなところは今回で終わらせましょう。
と言う訳で早速いきます。
ワックスペン
ワックスカービングをする上で欠かせない工具の一つ。
簡単に言うと半田ごてのようなもので、ペン先(写真右のペンのようなもの)が熱くなることでワックスを溶かしたり盛ったりします。
先端の形状も様々で、差し替え可能なので様々な形状に対応可能です。
また、温度の調整が出来るので様々なワックスの種類にも対応できます。
これがワックス↓
形、色、硬さ、融点(溶ける温度)が色々とあり、製作するアイテムにって使い分けます。
薄い水色のものは「インジェクションワックス」と言う種類で、非常に融点が低く、アクセサリーの複製の際に使用します。
※アクセサリーの複製、量産の方法を簡単に説明します。
キャストの方法はコチラをご覧ください。
製作した原型から複製のためのゴム型を製作します。ゴム型は地金の原型から製作する(焼ゴム)のが基本ですが、ワックス原型からでも型取りできるもの(液ゴム)もあります。
こちら↓がゴム型各種。
色によって硬さが違うので、アイテムのデザイン、サイズ、細かさなどによって使い分けます。
左下の半透明のものが液ゴム。通常のゴムは高温で焼成するのに対し、2液性の化学反応で固めるので、ワックスの状態からでもゴム型取り可能です。
製作したゴム型にインジェクションワックスを流し込むと原型と同じ形のワックスが出来上がるので、それをキャストすると複製、量産ができるわけです。
さてワックスペンに話を戻します。
現在G-IRONで使用しているワックスペンは一般的な彫金用のものではなく、「ウッドバーニング」に使用する電熱ペンを使っています。
(ウッドバーニングとは、木材を電熱ペンで焦がして模様や絵を描く手法。G-IRONから派生したL&W BurningWorksでバーニングを行っています)
先端を差し替えることでバーニング、ハンダ付け、そしてワックスペンと様々な用途に使用出来ますし、温度の可変幅もとても広く、さらに電源を入れると数秒で使えるほどスタートが速いので、重宝しています。
ちなみに、上のワックスペンはカスタム後のもの。
カスタム前の状態はこんな感じ↓
通常のワックスペンでももちろん事足りますし、アルコールランプでスパチュラを温めてワックスペンのように使用する事も可能です(昔はそうやってました)。
できれば色々な道具を試してみて、自分に合ったものを探せると良いですね。
バッファー
ジュエリー・アクセサリーを磨くための工具。
「バフ布」と呼ばれる円板状の布に「コンパウンド(磨き粉)」を付けて高速で回転させ、アイテムに押し付けて磨きます。
バフ布には布の種類、閉じる枚数、閉じ方が様々あります。さらにコンパウンドにも用途によって種類や細かさが様々で、バフ布とコンパウンドの組み合わせを考えると途方も無い数になります。
その中からどれを選ぶか、というのはなかなか難しい問題ですが、地金の種類や、荒磨き〜中磨き〜仕上げ磨きと段階を踏んで磨くことを考慮して、工具屋さんなどで色々と聞いてみましょう。
いくつかオススメの中から自分が使いやすいものを選ぶのが良いと思います。
ですが一番大事なのは、バフで強引に傷を消すことよりも(面や角がダレるので)、バフに入る前にどれだけ綺麗に下準備をしておけるか、です。
ベルトサンダー
輪っか状になった紙やすりを高速で回転させる機械。
画像のものは基本的には手で持つタイプで、かなり小さなものですが、机などに固定して使用することも出来ます。
ベルトサンダーは様々な用途に使用しますが、例えばシルバーの板を平らに削ったり、ワックスを大まかに平らに削ったり、その他木材を削ったりと様々です。
基本的に彫金作業と言うよりはD.I.Yで多用します。
ノミ・小刀
G-IRONの代表でもありデザイナーのBOBこと成川は元楽器職人。楽器は木材で出来ているので、木工の職人とも言えます。
G-IRONのラインナップ商品にも木材を使用したものがありますので、それらの加工に使用します。
また、ワックスの加工でも非常に活躍しています。不要な部分はヤスリで少しづつ削るよりも、刃物で一気にカットしてしまった方が楽ですし、平らな面を掘り下げるのにも重宝します。
さて、そんな訳で4回に分けで彫金で使用する工具を紹介してきました。
今回紹介したものはある意味基本的なアイテムで、当然その他にも無数の工具があります。
そんな中から少しづつ自分にあった工具を揃える事で、思い描く作品作りに少しでも近づければ、と思っています。
次回からはまた別の内容を書いていきますので、今後ともお付き合いください!
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