前回、前々回に引き続き、彫金で使う工具や道具類の説明をしていきたいと思います。
そろそろ飽きてきた方もいるでしょうが、もうしばしお付き合い下さい。
バーナー・ブローパイプ
彫金を行う上で最も欠かせないアイテムの一つ。
地金を温めて鈍し(なまし)たり、溶かしたり、ロウ付けしたりするためのバーナー。
ガスと空気の量を調整して火の強さを変えることができます。
※焼き鈍し、ロウ付けに関してはまた後日書きます。
カセットガスで使用できるガスバーナーや、空気の変わりに酸素を送り込む「酸素バーナー」など、様々な種類があります。
彫刻、刻印関係
地金を彫ったり、文字を打ち込んだり(打刻)、まさに彫金作業に使用するアイテム。
画像右下の小さなノミのような道具は鏨(鏨)、刃の形、幅、角度など様々で、彫る地金、デザイン、場所、角度などによって使い分けます。画像のものは超硬たがね。
打刻用の刻印も種類は様々で、アルファベット、数字、925やK18などの刻印、そしてオリジナルのG-IRONのロゴを彫った刻印もあります。
右上の工具はミルタガネ。石留めの際に爪を丸くしたり、「ミル打ち」と呼ばれる技法のために使用します。
↓がミル打ちを施したリング。
リングの縁に小さな玉を連続的に並べる技法で、アンティークジュエリーに用いられています。
独特の雰囲気がアンティークな雰囲気を醸し出します。
彫刻台
アクセサリー・ジュエリーに彫刻を施したり、石留めしたりする際に使用します。
下が球状になっているので、好きな角度に動かす事が出来ます。
実際の石留めはこんな感じ↓でリングを挟み込んで行います。
もちろんリングだけでなく、いろいろな方法を用いて様々なアイテムを固定できます。
ローラー
地金の板を伸ばすための工具。地金の板を差し込んでハンドルを回すと、均一の厚みで地金が出てきます。
地金を鈍しつつ、複数回に分けて少しづつ薄くしていきます。
ヤットコ・ピンセット類
地金を叩く際につかんだり、ロウ付けの際にはさんだり、地金を切ったり、用途は様々。
木台
木材に金床(かなどこ)と呼ばれる鉄の塊を固定した台で、主に地金を叩いて伸ばす際に使用します。
いわゆる鍛金作業用の台。
スパチュラ・リーマー
歯医者で使うような細長い工具がスパチュラ。
ワックスを切ったり削ったり、ワックスカービングの際に非常に重宝します。
形は様々で、作りたいアイテムのデザイン、細かさによって使い分けます。
先端を自分の使いやすい形に加工して使用する事が多いです。
右の黒い工具がリーマー。ワックスのリングのサイズを拡げる工具です。
テーパーの付いた棒に刃物が付いていて回転させることでサイズを広げます。
キレイな円を作るにはコツが必要。
ルーペ
黒い大きなものはヘッドルーペ。頭に巻いてメガネのように使用します。倍率は2〜4倍程度。
右下の小さなものは石留めの際に主に使用するルーペで、倍率が10〜20倍あります。
その他にもテーブルに固定する大きなルーペやライト付きのもの、倍率を変えることができるものなど、さまざまです。
さて、今回はこの辺りで終わりましょう。
おそらくあと一回でとりあえず工具紹介は終わると思いますので、もうしばしお付き合い下さい。
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