前回までで伸ばしたシルバーを曲げてバングルの形に加工。
その後スリットの部分を丸く削り、全体の歪み調整も兼ねて傷を揃えていきました。
今回で完成まで進めていきますので、最後までお付き合いください!
ヘラがけ
全体の傷をある程度揃えたら、ここでとても大事な工程に入ります。
それが「ヘラがけ」。
ヘラがけに関しては以前の記事でも書いていますが、「ヘラ、またはヘラ棒」と呼ばれる鋼鉄製の棒でアイテムを力強く擦り付け、金属の表面を潰して細かな傷を消す作業の事。
ちなみにこちら↓がヘラ。
太さ、形状、そして超硬など様々。
今回のヘラがけの目的は、磨きの為(だけ)で無く、金属の表面を擦って潰す事による「表面硬化」を狙ったものが大きいです。
例えばピアスのポストや細いリングなどはいくら金属といえども柔らかく、簡単に曲がってしまいます。
そこで、そういった細い部分をヘラがけすることで締めて、硬くするんです。
今回のバングルも同じ原理で、太さはそれなりにあっても全長としては長いので、強引に力を入れると簡単に曲がってしまいます。
なので、ヘラがけで出来るだけ硬く締めて、簡単に曲がることの無い様にしているんです。
全体をシッカリとヘラがけしたら、元の状態と比べると結構硬くなっているのが分かります。
側面にテクスチャを付ける
ヘラがけが終わったら、今回のバングルの最大の特徴でもある、側面の模様を入れていきます。
そう。今回、ここまで非常にシンプルなバングルとして製作してきましたが、実はそれだけでは終わらないのです。
表面のテクスチャの入れ方は色々あります。
例えば、金槌で叩いて「槌目」を付ける。
例えば、梨子地(つや消し)仕上げにする。
などなど色々。
ですが今回は、少し実験的な意味も込めて、初めての方法でテクスチャをつけました。
作業後はこんな感じ↓
バングルの側面は表面を荒らした様な、岩の様なイメージ。
このランダムな荒さが正面の磨き上げた輝きと良い意味でギャップをもたらして、作品に良い緊張感を生むのではないか、という想像から作業しましたが、予想以上に面白い雰囲気。
この荒れた面だけでは微妙な感じですが、磨き上げた部分と同居することでとても良い雰囲気になります。
ちなみに、作業としては実は簡単。
サークルカッターを始めとした切削系のリューターポイントを使って、全体の雰囲気を見つつ荒目に削っていきます。
仮磨き
側面のテクスチャが入れ終わったら仮磨きに入ります。
いつもの様にシリコンポイント荒目〜細目〜バフ(コンパウンド#1500〜#4000まで磨きます。
仮磨きが終わった状態。
この時点で正面と側面に既になかなか良いコントラストが出ていますね(自画自賛)
この後ご依頼のあった刻印をある場所に打刻。ある文字を手打ちで打ちました(完成品でご紹介します)
仕上げ磨き
そして、必要な部分のみに燻しを入れてから仕上げ磨き。
側面は出来るだけ磨いてしまわないように注意しつつ、正面と内側を磨きます。
仕上げのコンパウンドまでバフがけしたら、最後にコンパウンドの汚れを落として、今回のバングルは完成となります!
後半パパッと進んでしまいましたが、地金から製作したバングルの作り方紹介でした。
そして完成品は、次回のブログで紹介します!
という訳で、次回もお楽しみに!
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