オーダーいただいた結婚指輪の作り方紹介ですが、すでにプラチナになったリングの仕上げ作業を進めています。
前回はメンズのリングの傷取り〜仮磨きまで行いました。
今回はレディースのリングの仕上げを進めていきます。
ミル打ちを再度
こちらがキャスト上がりの状態。とは言え、湯道の削り落としとリング腕中の傷取りまでは進んでいます。
メンズのリングはそのままリング外側の傷取りから、炭研ぎ〜ヘラがけなどの作業を行い、仕上げに進みましたが、こちらはその前に一手間かけます。
それはレディースのリングにしかない、「ミル打ち」に関して。
キャスト上がりはどうしても表面(鋳肌)が荒れたり、ゴム型から複製する場合は型の切れ目の位置で段差や張りが出ることがあります。
だからこそ、場合によっては鉄鋼ヤスリで表面を整えたり、ペーパー(紙やすり)で傷を揃えたりする訳です。
その作業はミル打ち部分でも当然変わりません。
荒い傷や段差があればその部分は削って調整する必要がありますし、ミルを打ち直す必要があります。
今回は幸いキャスト上がりの状態はかなり良好だったので、ヤスリで削って調整するような部分はありませんでした。
ですがどんなにきれなキャスト上がりの状態でも、全く傷なくピカピカ、ということはありえないので、ミルの打ち直しは行います。
ミル打ちをし直す事でキャスト後の「もたっ」とした部分はシャープになり、さらにそれぞれの玉が綺麗に粒立ちますので、この作業は必須です。
原型にミル打ちを行う場合は各粒の位置、間隔、粒立ちを合わせるのにかなり気を使いますが、今回はすでにある粒を改めて強調する形なので、かなり気が楽。
すでにある粒にサイズのあったミルタガネを合わせ、「グリグリ」すれば良いのです。
そうしてミルを打ち直しした状態がこちら↓
分かりにくいかもしれませんが、上の画像と比べると各粒がシャープに綺麗になっています。
そして仕上げに向かう
ミルの打ち直しが終わったら、メンズのリングと同様の作業を行って、リングを仕上げていきます。
改めて簡単な手順を書いておくと、
1、ロールペーパーで全体の傷を揃える(この時にミル打ちの部分にペーパーを当てないように注意!)
2、炭磨ぎ〜ヘラがけ〜炭磨ぎ〜ヘラがけ〜炭磨ぎ〜ヘラがけ(3回は炭磨ぎとヘラがけを行ったり来たりすると良い)
3、バフで仮磨き(コンパウンド中目くらい)
という感じ。
そしてそこまで行ったリングがこちら↓
さあ、これでメンズのリングとレディースのリング、どちらも仕上がり直前!
と思いきや、実は大事な作業が残っているんです。
その点に関しては次回のブログで!
そして次回ようやく完成予定!
という訳で、引き続きお楽しみに!
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