前回からスタートしたオーダー頂いたリングの作り方紹介。
完成まではまだまだかかりますので、しばらくお付き合い下さい。
前回でワックスの切り出し、リングサイズ調整、腕部分の厚み出しまで行いました。
こんな感じ。
ここから本格的に整形していきます。
デザイン画を見つつスカル部分を整形する
ここからはスカル部分の整形に入りますが、細かな説明はあまりせず、画像をメインに大まかな手順を説明していきます。
途中の画像がないので一気に進んでしまっていますが、デザイン画を見つつ、不要な部分は荒目の鉄鋼ヤスリや刃物(小刀やデザインナイフ)、リューターポイント(サークルカッター)を使用してガンガン削ります。
頬骨の下部分などは糸ノコでカットしてしまいます。
そうする事でリング腕部分の幅もある程度出ていますが、さらに整形を進めつつ、リングの幅も徐々に決めた寸法に近づけていきます。
ちなみに、この時点で鼻の位置はほぼ決まっていて、そこを中心に周りを削っていくようなイメージで進めています。
頬骨や口の部分を削り、シャープに。
少しづつ形を完成イメージに近づけていきます。
目の部分も位置決め。
口の部分をシャープに。この辺りまではほぼヤスリと刃物、リューターポイントのみ。
全体の大まかな整形が出来てから傷を細かくしていきます。
全体の荒い傷を取りつつ、口の位置決めをします。
この段階でスパチュラ↓投入。荒く削った面を整えつつ、細かな整形をしていきます。
スパチュラの形状は千差万別で、さらにそれぞれの好みに合わせて先端を加工することが多いので、同じ形状のものは世界中探してもあまりありません。
ちなみにこれは持論ですが、スパチュラの金額はピンキリ。まあ工具全般に言えることで、スパチュラに限った話ではありませんが。
高いものの方が固く傷つきにくいので、確かに使い勝手は良いんですが、硬い分加工もしにくいのです。
安物は柔らかく傷つきやすいですが、その分加工がしやすいため、ガンガン削って失敗してもそんなに痛くありませんし、傷ついたらまた削れば良いんです。
(特にワックスカービングを始めたばかりの頃は)同じ金額を出して一本高いものを買うのであれば、安い10本セットを買いましょう。
そしてどんどん削って、自分なりの使いやすい形を研究しましょう。
高級なスパチュラを買うのはその後で良いですし、はっきり言ってしまえば、高級なスパチュラは買う必要もないと思います。
実際、未だにG-IRONで使用しているスパチュラは前述した10本セットの安物です。今後も高いスパチュラを買う気もありません。
ずっと斜めからの画像だったので正面からの画像も載せておきます。
今回のように立体的な造形をする場合、大事なのは何度も何度も物自体をチェックすること。
そしてどこをどう削ればイメージに近づくか、頭で理解する事です。
特に最初は難しいと思います。いきなりイメージ通りの作品が作れる訳がありません。
結局はトライアンドエラーを繰り返すしかないんです。
そのうちに、だんだんとイメージと手の動き(=イメージした形通りに作れるスキル)が近づいてくるでしょう。というか、近づけるための自分なりの「コツ」の様なものが分かってくるんだと思います。
最初は上手くいかないので、「まあこれでいっかー』と終わらせてしまいがちです。
ですが、そこで安易に妥協せず、少しでも理想の形に近づくように、じっくり時間をかけてみましょう。
実際に手を動かしてモノを削っている時間よりも、ものを見て形を理解する時間の方が長くて良いくらいです。
多分絵画を描いたりすることと似ているのかもしれませんね。
どこをどう削れば的確にイメージした形を出せるか、とても難しい作業ですが、それこそが立体造形の楽しさの一つでもありますし、長い時間をかける価値のあることだと思います。
なんて偉そうなことを語っていますが、僕がそんなに上手くできているか、というとそんなこともない訳で(笑)
日々試行錯誤しつつ、イメージした通りの作品を作れるように目で見て頭で考えて、そして手を動かしています。
話が大分それてしまいましたが、今回はここまで。
オーダーリングの作り方紹介はまだまだ続きます!
=====================
オーダーの流れ・注意点に関して→ ABOUT
過去のオーダー作品はこちら → WORKS
お問い合わせはこちら → CONTACT
=====================