クリスマスがだんだんと近づいてきましたね。
G-IRON SILVERWORKSでは、クリスマスに向けた体制を現在構築中です。
12月に入ってしまうと、かなり納期的に厳しく、残念ながらご希望に添えない場合が出てきてしまいます。
また、製作を開始してから1ヶ月以内の納期となりますと、特急料金(合計金額の20%)が上乗せになりますので、その点も考慮いただき、なるだけ早めのご連絡をお願いします!
というよりは、もう既にそんなに余裕はありません!
できる限り早めにご連絡いただきたいと思います!
クリスマスに自分に、恋人に、家族に、友人に、オーダーメイドアクセサリーのご依頼をご検討中の方は是非!
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ORDER
さて、前回、前々回とオーダーいただいたネームプレート型ネックレスの作り方紹介を進めてきましたが、今回も続きます。
早速いきましょう!
オーダー ネーム プレート ネックレスの作り方
前回、このネックレスの最大の特徴でもある、「ワックスを盛って整形する」という方法を簡単に紹介しました。
前回で外側の枠ができたので、今回からは中の文字に入っていきます。
まずは文字をラインに買わせて綺麗にカット。
この時にラインを崩したり、カットした部分がギザギザだったりすると、後で綺麗に仕上がりません。
カットの仕方は非常にシンプルで、デザインナイフでラインの上をきっちりカットするだけです。
が、何も考えずにカットすると後で困ったことになります。
例えばaやeの文字。またはsの文字。
aやeの中の様に紙が繋がらない、または極細くなる部分があって、ここが剥がれてしまうと文字が綺麗にできません。
しかも、接着剤で貼っているとはいえ、少し引っ掛けたりカットする際の角度を間違えると、すぐに紙が剥がれてしまいます。
なので、細心の注意を払いながら、必要な部分を剥がしてしまわないように慎重にカットします。
もちろん残った接着剤などは綺麗に取り除きます。
その際に、カットした文字の中を傷つけても全く問題ありません。どうせこの後すぐワックスを盛るのですから。
その代わり、紙が貼ってある部分は傷つかない様に細心の注意を払いましょう。
カットした部分にワックスを盛る
紙をカットして不要な部分を剥がしたら、ワックスを盛っていきます。
こんな感じで、紙からはみ出すくらい大げさに盛ります。
というよりは、紙からはみ出さなければいけません。
そうやって全体を盛り終えたら、表面を削って平面出し。
この時点で凹んでいる部分などがあれば、再度その部分にワックスを盛って、厚みを揃えます。
ちなみに、ワックスを溶かして盛るのにはいくつか方法があります。
ワックスペンを使う方法と、スパチュラを熱してワックスを溶かす方法。
スパチュラを熱してワックスを溶かす方法は元手もかからずにお手軽ではありますが、温度を一定に保つことがなかなかできません。
今回のようにある程度広範囲の作業となるとかなり難しいです。気泡も入りやすくなりますし。
※気泡が原型の中にあると、キャスト時に「ス」が出てしまう可能性があるので、できる限り気泡を潰しておく必要があります。
ですので、温度を一定に保つことができるワックスペンがオススメです。
さて、そうやって表面の高さを揃えたら、いよいよ不要なワックスを取り除いていきます。
簡単にいうと紙の上にかぶさっているワックスを除去する作業ですが、しっかりと直角を保ちつつ、不要な部分のみを取るのは実はかなり難しい作業なのです。
デザインナイフやスパチュラを使って切れ目を入れ、紙の上のワックスを取り除いていきますが、思ったように取れないことがほとんど。
少しずつラインを攻めて、紙の上に乗ったワックスが完全になくなるまで削っていきます。
前回の記事でも書きましたが、この時に底の面には絶対に傷を付けない事。底の面に傷を付けてしまうと、今回のような手間のかかる技法は全くの無意味になってしまいます。
小さい箇所や細い隙間のあるアイテムの場合はある程度仕方ない部分ではありますけどね。
こんな感じで徐々に徐々に髪を剥がしていきます。
可能な限り直角を崩さない様に、残った紙の無い様に。。。
ようやく一通り不要な部分のワックスの除去が終わりました。
そして髪を剥がします。
この時点でスムーズにはがれることが理想ではありますが、現実はそんなに甘くありません(笑)
剥がしながらも紙が残りそうになっている部分を少しずつ少しずつ削って徐々に剥がしていきます。
そして、全ての紙を剥がし終えました。
うむ。悪く無い。
ですが、微妙に欠けている部分などがあるので、その部分は改めてワックスを少しだけ盛って整形し直します。
そしてこんな感じになりました。
これでネックレスの本体は完成!
最後にCカンを本体に取り付けたら、ワックス原型の完成です!
ワックス原型の完成
完成したワックス原型を少しご紹介。
しっかりと直角が出ています。
裏面はフラット。
さて、ワックスカービング行なっている方にはわかるかと思いますが、今回、結構傷が粗め。
でもここで綺麗に傷を取る必要はありません。
まず底面の部分は後で燻すので、あまりツルツルにするよりも多少の傷がある方が良い。
そして、それ以外の部分もキャスト時の歪みや減りを考慮して、多少厚めに仕上げています。
つまり、キャスト後に歪み直し、厚み出しのために時には叩いたり、結構な勢いで削る必要があるのです。
なので、この段階で傷を綺麗に取ることは「時間の無駄」な訳です。
ちょうど底面の部分の仕上がりに適した程度の傷で、全く問題ないのです。
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さて、3回に分けてお送りしてきましたオーダーネックレスのワックス原型製作。
今回は紙をカットした部分に溶かしたワックスを持って整形するという少し変わった製作方法を紹介しましたが、結構慣れと経験が必要になる作業で、これを行なっている業者は珍しいと思います。
オーダーをご依頼いただく上ではあまり関係のない話かもしれませんが、ある程度彫金関係の技術や知識を知りたい、という方には面白い話かな、と思っています。
さて、これにてワックス原型が完成しましたので、次回からは吹き上がり、つまりキャストから上がってシルバーになった状態から仕上げの作業に入ります!
引き続きお付き合いください!
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