前回の投稿から大分間が空いてしまいました。
緊急事態宣言も開けてしばらく時間がたちましたが、新型コロナウイルスによる感染症は落ち着くどころか徐々にまた感染者が増えている状況です。
3月の時点からずっと言っていましたが、結局検査の数が明らかに少ないので、ずっと実態が分からないまま。
第二波への備えを、などと言いますが、実際のところ第一波が落ち着いたのかすら分からずじまいで、少し検査数を増やすと感染者数も増える様な状況です。
国や自治体(特に東京都)の言う事を盲信せず、できるだけ自分で情報をとって予防に努めたいと思います。
いやー、東京アラート、一体なんだったんだ?
まあ気を降り直して。
G-IRONはと言いますと、それこそ緊急事態宣言が開けた直後くらいから非常に多くのご依頼をいただき、現状かなりオーダーが溜まっている状態です。
そのためなかなかこのブログも更新できずでした。
ご依頼いただいています皆様には大変申し訳ないですが、場合によっては通常よりも納期が伸びてしまう可能性もありますのでその際はご了承下さい。
(可能性のあるご依頼主様には個別にご連絡させていただいております)
オーダーメイドアクセサリーをお考えのあなた、上記の通り現在非常にオーダーが重なっているため、納期には余裕を持ってお問い合わせ下さい!
さて、本題。
本日もオーダーいただいたアクセサリーの中からあるアイテムをご紹介します。
今回はプラチナ。
それも直径50mmという非常にパンチの効いたアイテムなんです。
オーダーメイドプラチナペンダント(梵字、蓮座、倶利伽羅不動)
オーダーアイテムを紹介する前に、昨今のプラチナ事情について軽く紹介しましょう。
プラチナに関して
プラチナの表記等に関しては以前の記事(アクセサリー基礎知識・プラチナ(Pt)に関して)でも書いていますのでこちらでは割愛するとして、注目すべきはその価格です。
2020,06,30現在、プラチナの相場はg¥3,180。
金がg¥6,762なので半額以下です。
もう14年も前になりますが、私が結婚したときに自分で結婚指輪を製作した際のプラチナの価格は¥7,000を超えていたと思います。
そう考えるとかなり安くはなっています。
金が非常に高騰しているのでプラチナも上がるかと思いきや、プラチナはあまり上がらずに推移しているというのがここ1年ほどの流れで、プラチナがかなり落ち着いているのは間違いありません。
ある意味、材料としては現在では金よりもかなりリーズナブルではありますので、プラチナでのアクセサリーの製作はお勧めと言えるかもしれません。
ですが、実は意外な落とし穴があるんです。
それは、プラチナのアクセサリーとして一般的なPt900の場合、90%がプラチナで残りが別の金属なんですが、この残りの金属(割金)が問題なんです。
通常プラチナの割金として用いられる金属で一般的なものは「パラジウム」という金属なんですが、このパラジウムが非常に高騰しています。
現在ではg¥7,500ほど。なんと金よりも高い!
んですが、実はこれでもかなり下がったんです。
実は去年の後半頃から徐々に上がり続け、なんと一時(今年1月21日)は¥11,000超え!という恐ろしい事態になりました。
つまり、プラチナ自体の価格は割とリーズナブルでも、割金としてのパラジウムが高い、という事なんです。
この場合、何が起こるのかというと。。。
純度の低いプラチナの方が価格が高い(パラジウムの割合が増えるため)
という事になる訳です。
つまり、プラチナ950よりも、プラチナ850の方が割高、という逆転現象が起こっているんです。
まあここのところパラジウムも多少落ち着いてはきましたが、コロナの影響もあり今後もどうなるか全く分からない状況です。
金ももちろんですが、プラチナの場合も純度の違いによる価格の違い(や素材としての違い)は非常に大きいので、相場等気になる方はチェックしてみると面白いかと思います!
さて、ようやく本題。
今回紹介するペンダントトップはこちら!
蓮の花をモチーフにしたアウトラインのペンダントトップ。
サイズはなんと直径50mm。厚みは2.5mmと非常に大振りでボリュームのある一品です。
表面は蓮の台座と梵字の組み合わせ。
梵字は不動明王を表す「カーン」で、アウトラインと合わせてしっかりと出っ張らせてかなり立体的な仕様に。
蓮座は半立体で文字と対照的なイメージになっています。
背景は細かな傷をつけて梨地風に。
通常の梨地よりも少し荒めにして、文字とのコントラストを強調しています。
背面には倶利伽羅不動(竜剣)をラインのみで彫刻。
玉を持ち剣を飲み込もうとしている龍、そして背景には炎。
トップの範囲内に収まり一見して龍とわかる様にある程度デザインを簡略化させますが、シンプルになりすぎるのも格好悪いので、その辺りのバランスはなかなか苦労しました。
そしてバチカンにもこだわりが。
バチカンも正面から見ると蓮の花をモチーフにしたデザインであることがわかると思います。
直径50mmというビッグサイズ。
今回のペンダントトップ、ご覧の通り非常にボリュームがあり、重量もかなりのものになる訳で、昨今金額が落ち着いているプラチナとは言え当然ながら地金代(材料費)はかなりの額になります。
ただし、今回はなんと地金はご依頼主様のお持ち込み。
プラチナの100gのインゴットをお持ち込みいただきましたので、それをキャスト用の地金として使用させていただきました。
お持ち込みの地金をフルで使用出来る様サイズや重量を計算しています。
Pt900で割金がパラジウムなので、パラジウム分の代金を残ったプラチナで相殺する、という頭が混乱してくる計算をして、今回のサイズとなりました。
プラチナ、パラジウムの相場によってかなり金額が変わってくるので時期によって重量が変わりますが、今回の作品の製作時ではおよそ80gほどと非常に重量感のあるペンダントトップとなりました。
今回の様に、地金をお持ち込みいただいて材料とする事も可能ですが、いくつか条件があります。
ゴールドなりプラチナなり、シルバーの場合もそうですが、既製品のアクセサリーではなく、インゴットやその地金の純度が分かる状態でなければそのまま材料としては使用できません。
例えばお持ちのシルバーリングを材料にして、となると、一度リングを精錬分析にかけてシルバーのみを抽出してから材料として使用するため、分析の工賃がかかり、通常の製作よりもかなり工賃が高くなってしまいます(不可能ではありませんがお勧めしません)。
もしインゴット等地金の塊をお持ちの場合はそのまま材料として使用可能ですので、ご相談いただければと思います。
もしかしたら資産として金のインゴットなどを持っていて、ふとアクセサリーが欲しくなった、なんて場合が万が一でもあれば、材料費はかからずご希望のアイテムを製作する事が可能です。
その他にも「こんな場合は?」など分からない場合があればいつでもお気軽にお問い合わせください。
可能な限り最善の方法を尽くせる様、検討させていただきます!
という訳で今回はこの辺で。
最後に今回のトップのスペックを紹介して終了となります!
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PT900オーダーメイドペンダントトップ
素材(Material): PT900(プラチナ900)
サイズ(Size):直径50mm、厚み2.5mm
参考価格:地金はご依頼主様の持ち込み
納期:約2ヶ月
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それではまた!
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