前回まで5回にわたって紹介してきました、オーダーいただいたネームプレート型ネックレスの作り方。
今回で第6回となり、(おそらく)最終回になると思います。
前置きは無しにして、早速進めていきましょう!
オーダー ネーム プレート ネックレスの作り方
キャストから上がったペンダントトップの
湯道削り〜歪み直し〜キズ取り&平面出し〜仮磨き
と行ってきたのが前回まで。
最終回(予定)の今回は、バチカンを製作して本体につけて仕上げ、という流れになります。
まずはバチカン製作からスタート。
バチカンを地金から製作する
バチカンは地金(今回はシルバー)から製作します。
というわけで、早速シルバーを用意。
大まかなサイズに切り出した0.5mm厚の銀板。
本体と合わせてシルバ−925になります。
銀板を曲げる
ある程度のサイズに切り出したら板を焼き鈍し(やきなまし)して柔らかくしてから、曲げていきます。
リングを製作する場合と同じですが、芯金と呼ばれる棒に巻きつけるように巻いていきます。
木槌で叩いたり、やっとこを使って曲げたりと、サイズやデザインによって方法は変わります。
ポイントは、(こちらもリングと同様に)両端を先に曲げていくこと。
曲げにくい部分を先に曲げないと、形が綺麗に行かないどころか、全然狙っていない場所で曲がってしまったりします。
それから、ビビって少しずつ曲げるのではなく、曲げる時は一気にぐいっと曲げる事。
これが綺麗なカーブを出す上で意外と重要なんです(笑)
ちなみに、この時点ではまだ全体が予定よりも長い状態。
なぜかというと、この時点でぴったりのサイズを割り出すのが非常に難しい、という点が一点。
それから、端の部分は結局ぴったり曲げることが難しいので、長めにしておいて、重なった端部分をカットして調整するのがベターなのです。
そうやって予定のサイズ、形状に持っていき、重なった余分な部分をカットしたのがこちら↓
写真では隙間が空いていますが、この後端同士をぴったりと合わせています。
端同士をロウ付け
端同士の隙間がなくなったら一度ロウ付けします。
ロウ付け後↓
ここで勘のいい人はもしかしたら気づくかもしれません。
「この段階でなぜ一度ロウつけするのか?」と。
だって、そのままバチカンに通してロウ付けしてしまった方が手間もなく、時間もかかりませんよね。
一度ロウ付けしたものをトップ本体とつなげる際にはロウ付けした部分を再度カットして繋ぎ直さなければならないからです。
ですが、輪っかになった状態でないと、この後の整形が難しいのです。
輪っかの状態であればこの後の加工(ヤスリがけ等)は問題なく行えますが、輪っかとして繋がっていない状態だと強度が弱く、この後の加工でゆがんだり曲がったりしてしまいます。
ロウ付けの回数を減らして楽をしようとすると逆に苦労する、「急がば回れ」パターンですね(笑)
とにかく、一度ロウ付けして輪っか状にしてから予定通りの形状に整形していきます。
バチカンの整形
まずは不要な部分を糸鋸でカットしてから、鉄鋼ヤスリで整えます。
この段階で表面にも多少の歪みが出ているので、全体的にヤスリがけをして形を整えます。
そして大まかに傷取りを行なったら、バチカンの完成です。
バチカンと本体をつなぐ
バチカンが完成したら、いよいよ本体と繋ぎます。
が、大変申し訳ないのですが、この後の画像がありません!
一気に作業を進めてしまったため、写真を撮るのを忘れてしまっていたんですね。。。
なので、申し訳ありませんが、拙い文章で説明してみます。
バチカンをカット
整形の完了したバチカンを糸鋸でカットします。
ここでのポイントは、「ロウ付けした部分をカット」する事、そして「まっすぐに切る」事。
この2点が上手くいかないと、ロウ付けした部分が残ってしまい、トップとつなぐ際に綺麗にいきません。
カットしたら、軽く開きます。
バチカンにトップを通して再度ロウ付け
開いたバチカンにトップの丸カン部分を通し、バチカンを閉じます。
実はバチカンを閉じる時にもいくつかポイントがありますが、ここでは割愛。
隙間なく閉じたら、再度その部分をロウ付けします。
ロウ付けの際は本体にできるだけ火を当てない様に注意する事。
そして、本体に熱が逃げ本体に熱が逃げない様に手早くロウつけすることが重要です。
ロウ付け後、整形
ロウ付けの終わったバチカンはロウ目が残っていたり、多少の歪みが出ていることがあります。
そういった点を改めて整形してから傷取りを行います。
バチカンの傷取りが終わったらシリコンポイントなどで磨いて、最終仕上げに備えます。
最終仕上げ
仕上げ磨きの前に、燻しを入れます。
文字、枠以外の凹んだ部分に燻しを入れて、文字を強調します。
それから磨き。
すでにトップ本体は板バフで仮磨きを行なっています(前回記事参照)し、バチカンもシリコンポイントまで進んでいるので、仕上げのバフがけはサッと。
白樺#4000というコンパウンドを使ってまずは全体を磨き、その後#8000で仕上げます。
この時にあまりバフを当てすぎるとせっかく板バフを使って仕上げた面が崩れてしまうので、あくまでもさらっと。
重要なのはバフがけ前の傷取りの段階をどれだけしっかりと行えるか、です。
そして残ったコンパウンドを綺麗に除去したら、作品の完成となります!
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全6回に渡ってお届けしてきたネームプレート型ネックレス。
最後は画像がなくて分かりにくい部分もあったかと思います。すみません。
とりあえず今回は完成までお届けした、ということで、次回、完成した作品を紹介したいと思います!
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