オーダーいただいた招き猫のネックレス(ペンダントトップ)も完成間近。
全てのパーツの組み立てが完了して、いよいよ仕上げを残すのみとなりました。
というわけで、早速進めます。
ロウ付け後の作業
ロウ付け後、酸洗いを行ってから、改めて傷を細かく揃えていきます。
ロウ付け前の段階でどの程度傷取りをしたか、またロウ付け時にどのくらい火を当てたか、などにもよりますが、ロウ付け後にいきなり磨きに入れる、という訳ではないんです。
それはなぜか。
ロウ付け前にあまり傷取りをしていなければ、当然磨きの前に傷を綺麗に揃えておく必要がありますし、火を当てる事で「火ムラ」と呼ばれるシミのようなものが表面に出てくるので、それを消す必要があるからです。
シルバー製品(925)は磨きが難しいと言われますが、その大きな原因の一つが「火ムラ」なんです。
火ムラとは
火ムラとは、火を当てることでシルバーの表面が酸化することで現れる物で、ある程度の時間や強さの火を当てるとほとんどと言っていいほど出ます。
幾つか火ムラが出ないようなロウ付けの方法もあるにはあるのですが、未だその方法を完璧に確立できていません。
そして、火ムラが出てしまったら、(というかほぼ出るんですが)、その部分を「削り落とす」しかありません。
火ムラの層の厚みは火を当てる時間や強さによって変わるので、ロウ付けに時間がかかる大きいものの方が層が厚くなる傾向にありますが、結局は火ムラが出たら削る、しかないんです、
しかも、火ムラはロウ付け直後にはほぼ見えず、「磨きの段階でようやくはっきりと出ているのが分かる」ので、かなりタチが悪い!んです。
そこで難しくなるのが、「ロウ付け前にどこまで傷取りを行なうか」なんです。
ロウ付けの前にできるだけ傷取りをしていくら綺麗に仕上げても、火ムラが出たら結局は削るしかないので、今までの苦労が水の泡。
かといって、全く削らずにロウ付けしてしまうと、その後で整形や磨きを行えない場所が出てくる。
シンプルなアイテムの場合はロウ付けを終わらせてから傷取り〜磨きと進むことで、自然に火ムラを消すことが出来ますが、今回のようにある程度複雑な形状の場合はどうしても先に手を入れておく必要があり、ロウ付け前にどのくらいまで進めておくか、迷うところ。
結局、今回はある程度傷取りを進めておいて、ロウ付けをしてから「一段階戻る」くらいのつもりで火ムラを消してから仕上げ作業に入る、という形になりました。
これは作業してみないとわからない部分ですが、思ったより火ムラが消えずに苦労することも多く、シルバーアクセサリー制作の一番のネックと言えるかもしれません。
ロウ付け後、日村を消して傷を細かく揃えた状態↓
燻しを入れる
傷を綺麗に揃えたら燻しを入れます。
燻しに関しては以前のブログで細かく書いたので、そちらをご参照ください。
燻しを入れた直後がこちら↓
今回も「銀黒」を使用して、全体を燻すことなく必要な部分プラスαを燻しました。
磨き・仕上げ
そしていよいよ最後の工程、磨きへと進みます。
磨きに関しても燻し同様、以前紹介したリングの作り方で細かく紹介していますので、参考にしてみてください。
ただ、リングと違う点は、裏表があり、さらに裏側がフラットな状態(文字を彫ってはいますが)、ということ。
平面的な部分を磨くのはまた少し違う方法があるのですが、その点詳しくは又後日紹介したいと思います。
さて、そんなわけで最後はだいぶ端折りましたが、これにてオーダーネックレス(ペンダントトップ)が完成しました!
この作品、詳しくは以前のブログで紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください!
という訳で、今回のネックレス作り方紹介はこれにて終了。
今後も色々なアイテムの作り方紹介を進めていきますので、今後ともお楽しみに!
=====================
オーダーの流れ・注意点に関して→ ABOUT
過去のオーダー作品はこちら → WORKS
お問い合わせはこちら → CONTACT
=====================