キャストから上がったオーダーネックレス(ペンダント)各パーツの湯道を削り取ったのが前回。
早速続きを進めていきましょう。
湯道を取った後傷取り
少し作業が進んでしまっていますが、簡単に言うと傷取りを行った状態。
キャスト上がり(吹き上がり)の地金肌はどうしても多少の凸凹やざらついた部分があります。
もちろんワックス原型を綺麗にすればするほど吹き上がりも綺麗になるのですが、どちらにしろ傷取りは行います。
例えばペーパーであれば荒目から始めるか、細い目から始めるか、といった違いで、「どこに重点を置くか」なんですね。
なので、原型時に完璧に傷を消すことは最近では、めっきりやっていません。
※もちろん初めて作る時にはワックス原型の段階で出来るだけ傷を綺麗にした方が良いと思います。
ちなみに、ここまでの流れを簡単に説明します。
裏面は平面にしますが、今回のような板物はキャスト時に「引け」が出て、真ん中辺りが凹むことが非常に多いです。
(当然その点も考慮して仕上がりよりも集めに原型を製作しておきます)
なので、まずは裏面の平面出しから。
どの程度凹んでいるのか、によって鉄鋼ヤスリ(荒目?中目?細目?油目?)にするのか、ペーパー(紙やすり)にするのか、それともベルトサンダーを使って一気に削るのか、変わってきます。
どちらにせよ確実に削る必要があるので、そこでこの記事で書いたように、文字などを掘る際の壁を可能な限り直角にしておく必要が出てくる訳です。
直角でないと、面を削った時に文字の形が変わってしまう訳ですからね。
そうしてヤスリの目を徐々に細くして、傷を揃えていきます。
ちなみに本体である招き猫も作業工程としてはほとんど同じ。
まず湯道を削り取り、状態に応じてヤスリを細くして傷を揃えていきます。
ですが板との大きな違いは、こちらはロールペーパーを多用することでしょうか。
ロールペーパーとはこれ↓
リューターの先端に取り付けて回転させて、アイテムを削っていくリューターポイントです。
形状的にどうしても鉄鋼ヤスリが入らない部分が多い上、平面や直線的な場所もないので、非常に重宝します。
さらに、もっと小さな先端が細くなったポイントもあり(ペーパーの長さが10mmほど、太さが3〜4mm程)、細かな部分はそちらのポイントを使用しています。
招き猫の裏側。
裏側は土台となる板と触れる部分のみ平面を出して、裏抜きの部分はノータッチ。
なぜなら完成したら全く見えないからです。
ちなみに、ご覧の通り裏面の外周と、足の裏も平面を出しています。
はい。これにて傷取りはオッケー。
ペーパーの荒さで言うと、#800〜#1000くらいまで全体の傷を揃えた、という感じでしょうか。
この後の作業としてはいよいよ組み立て(ロウ付け)に入りますが、色々と注意点やら気を付けたいポイントがあり、それを書くとかなり長くなりそうなので、今回はここまで。
次回もご注目ください!
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