今回はかなりマニアックな「ワックス」に関する考察、というか私個人の最近気づいたことを書きたいと思います。
アクセサリー制作に欠かせないロストワックス製法
アクセサリー制作にはいくつかの方法がありますが、以前からこのブログでも書いている通り、G-IRONは「ワックス」というロウソクの蝋のような素材を使って原型を作り、それをキャスト(鋳造)で金属にする「ロストワックス製法」を多用しています。
ちなみにロストワックス製法はこんなイメージです。
アクセサリーを複製する際、「ゴム型」というものを制作し、そこに溶かしたワックスを流し込み冷やすことで固め、「ワックス原型」と同じ形状のワックスを作り出します。
それをキャストすれば原型と同じ形のアクセサリーができる、という訳です。
で、このゴム型に流し込むためのワックスをインジェクションワックスと言い、一般的に原型を制作する時のワックス(ハードワックス)とは違い低い温度で溶け、さらに溶けると水のようにサラサラになるものなんです。
インジェクションワックス
細かな箇所に綺麗に流し込むためには、サラサラに溶けるワックスの方が都合位が良い訳です。
(中にはハードワックスをゴム型に流し込む場合もありますが、インジェクションワックスと比べると細かな部分まで綺麗にワックスが流れるとは言い難いです)
インジェクションワックスはその融点の低さと柔らかさで複製をするのには向いていますが、柔らかすぎるので切削には向いていません。
同じように低い融点で溶けて固まるとかなり硬くなり切削性の良いワックスなどもありますが、一般的にゴム型にワックスを流し込む場合はインジェクションワックスが使われる訳です。
で、このインジェクションワックスが昔から好きじゃなくて。
上に書いた通り切削性が非常に悪いので、複製したワックスを手直ししたりカスタムしたり、というのに向いていないんですね。
さすがに10年以上この仕事を続けているので加工にも慣れましたが、ハードワックスと比べるとかなり気を使うし、削った破片などがくっついてやっぱり作業しにくいんです。
今回、必要に迫られてインジェクションワックスを加工する仕事があったんですが、「そういえば今までハードワックスのようにデザインを描いた(印刷した)紙を貼り付けて加工する、という方法をやってなかったな」とふと思ったので、
実際にやってみたんです。
これがなんとかなり具合がいい!!
ワックス自体が柔らかいからか、紙はハードワックスよりも剥がれにくいし、紙を貼ったぶん強度が増すのでデザインナイフでのカットもインジェクションワックスのみの状態よりも全然やりやすい。
そして力が必要なく、貼った紙がガイドになるのでヘタに削り過ぎたりしない。
さすがに削りカスの処理はハードワックスに比べると面倒ですが、インジェクションワックスをこんなに快適に加工できるなんて!
と一人で感動していました。
「なぜ今まで気づかなかったのか!」
インジェクションワックスを毛嫌いしていた自分を殴ってやりたいと思います。
アクセサリー等の製作をしている人にしか分からないマニアックな話題ですみませんw
わかる人にだけ分かってもらえれば良いんです!w
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最後に業務連絡です。
明日(4/2)は所用のため
午後2時までの営業となります。
また、4/3は終日お休みとさせて頂きますので、ご了承ください。
休み中はお電話でのお問い合わせには対応できません。
メールでのお問い合わせには4/4以降に順次返信させて頂きます。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します!

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