長々と紹介してきましたオーダー品「スチームパンク風狼ネックレス」の作り方ですが、いよいよ終盤。
前回で全てのパーツの組み合わせが終わり、仕上げを残すのみとなりました。
こちら↓が仕上げに入る直前の段階。
バチカンのロウ付け、ロウ付け部の加工を行って本体とバチカンが一体になった状態。
全体的に白く見えるのは酸洗いを行ったからで、傷はかなり綺麗に消えています。
燻し前の傷揃え
↑の酸洗いが終わった段階の少し白くなったトップを再度綺麗にします。
荒目のシリコンポイントを全体に当てて傷を綺麗に揃えますが、その時に毛の部分まできっちり手を加えます。
先端のとがった小さなシリコンポイントや円盤状のシリコンポイントを駆使して、毛の段差まできっちり綺麗にします。
そうして全体的に荒目のシリコンポイントで傷を整えた状態がこちら↓。
傷取りというよりは磨きの初期段階と言えるでしょう。
さて、次はいよいよ燻しに入ります!
燻し
燻し(いぶし)に関しては以前の記事でも何度か取り上げていますので、リンク先を御覧ください。
ここしばらくは燻しの際「銀黒」メインで使用していますが、今回も同様。
ですが銀黒は一気に黒くなる分強度に少し不安があります。
分厚い分剥がれやすい、というイメージ。
なので、一度全体的に銀黒を塗って燻した後に一度重曹で全体を磨き、あえて燻しを薄くしてからもう一度燻し直しています。
そうすることで薄い膜が重なるので、剥がれにくく発色も良いものになるのです。
(ちなみに「銀黒」とは、燻し液の一つ。塗るだけで瞬間的にシルバーを燻すことができる便利な液体です)
そうして燻したトップがこちら↓
真っ黒ですね〜。
このつや消しな感じの表面も個人的にはとても好きなのですが、さすがにこの状態を保つのは難しい。
というよりはオーダー品なので自分の好みで仕上げを変える事はもちろんしません。
ここからは一気に仕上げまで進みます。
仕上げ
まずは不要な燻しを剥がすため、(状態にもよりますが)荒目のシリコンポイントなどで全体を磨きます。
そうすることで不要ないぶしは剥がれ、シルバーの表面も綺麗になります。
続いてシリコンポイントを細かい目のものにして、全体を同様に磨きます。
なんだか写真の反射のせいか、とっても分かりにくいですが、上の画像と比べると、明らかに表面の輝きが増しています。
そしていよいよ最後の工程、バフ掛け。
今回はどちらかというとリューターに取り付けられる用の小さな「豆バフ」を多用しました。
通常のバッファーではサイズが大きく、細かな部分を磨くことはできません。
また、特にゴーグル(ルーペ?)の部分などは引っ掛けて形がゆがんでしまったらアウトなので、大きなバフで「ガッ」と磨くことは極力避けました。
特に真鍮パーツの部分はほとんど豆バフで仕上げています。
通常のバフは狼の右側やあごの下がメインで、真鍮の部分は極軽く当てる程度にしています。
おそらく↑はバフでも番手の荒いコンパウンドを使って磨いた状態で、この後コンパウンドを段階を踏んで番手の細かいものにしていき、最終的に磨き上げます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、結局最初の想像通り、今回も含め全9回という長丁場になりましたが、これにて今回のオーダー品は完成となります!
次回、完成品をしっかりと紹介して、「スチームパンク風狼ネックレス」の回を終わりたいと思います。
長々とお付き合い頂き有難うございました!
次回、完成品の紹介をお楽しみに!
=====================
オーダーの流れ・注意点に関して→ ABOUT
過去のオーダー作品はこちら → WORKS
お問い合わせはこちら → CONTACT
=====================