G-IRON SILVERWORKSでは、オーダーメイドアクセサリーの製作の他、ラインナップアクセサリーの販売、それからアクセサリーリペア(修理)のご依頼も承っております。
今回は、オーダーメイドではなく、リペア品のご紹介。
なんですが、その内容的にアクセサリー製作の工程が含まれるという事もあり、こちらで紹介させていただきます。
今回ご紹介するリペア品はクロムハーツのジッポです。
クロムハーツジッポリペア
まずはリペア前の状態をご覧ください。
細かな傷や打痕、変色などは使っていれば自然に付いてしまうものですが、今回最も問題なのは正面のクロス。
なんとクロスの左右の上部分がどちらもありません。
ご依頼主様はこのジッポをメルカリで購入されたようですが、写真を見る限り破損部を見えないように調整して販売していたようです。
要は、壊れていたジッポを気づかずにつかまされてしまった、という事なんですね。
ワクワクして手に入れたアイテムが届いた途端に不良品だとしたら、やはりショックですよね。。。
そんな訳でご依頼主様からなんとかならないか、とご相談をいただきました。
そこで改めて今回のご依頼品を見てみると、クロスの左右の上部分は元々ロウ付けが甘く、また上部分との繋がっていた部分も非常に細いため、何かにぶつけたか落としたかした拍子に外れてしまったと思われます。
ロウ付けの甘さはクロムハーツに限らずインポートブランドでは割とありますが、左右が綺麗に無くなってしまうというのはなかなか。
またジッポの表面、クロスの上部や元々パーツが付いていた部分には恐らく元々あったであろう段差も残っていて、仕上げが丁寧では無かったというのが分かります。
こういった段差なども出来るだけ綺麗にして、しっかりと修理していきます。
紛失したパーツはキャスト製法で製作
無くなってしまった(というよりご依頼主様の手元には元々無かった)クロスのパーツは一から製作して、付け直す事にしました。
無くなってしまったパーツは一般的なアクセサリーの製作方法である「キャスト(ロストワックス)製法」で製作していきます。
キャスト(ロストワックス)製法に関して詳しくはコチラをご覧下さい。
ワックスと呼ばれる細工ロウを加工して無くなった部分と同じ形を製作します。
クロスの左右上部が紫色ですが、これがワックス。
ワックスには色々なカラー、種類がありますが、ここでは割愛。
ワックス(細工ロウ)を削ってクロスの形を作りました。
破損した上部とのつながっている部分も多少削って調整し、ワックス原型との隙間が出来るだけ無いようにしています。
そして、少しマニアックな話になりますが、このワックスの部分、周りのクロスと比べると、ほんの少し大きくないですか?
気づいたあなたはよく見ていますね!
当然これには理由があって、キャストという製法上、ワックスをシルバーにする際に必ず縮みが出ます。
なので、ぴったり同じサイズにしてしまうと、キャスト後にほんの少し小さくなってしまう、という事が起きるわけですね。
また、キャスト後には表面を削ったり磨いたりして少なからず元の状態よりも小さくなります。
そういったキャスト時の問題点や後々の加工の事まで考慮して、ほんの少しワックスを大きめにしている、という訳です。
さて、そうやって製作したワックス原型をキャストでシルバーにします。
シルバーになったパーツをジッポ本体にロウ付けしますが、その前に元々あった表面の段差などは可能な限り綺麗にして、しっかりと広い面積でロウ付け出来るように調整しておきます。
その後ロウ付け。
実はジッポのような大きめで体積のあるアイテムをロウつけするのは結構難しいんです。
色々とコツがあるのですが、それこそリペアやカスタムでジッポをそれなりに扱ってきましたので、綺麗に付けることが出来ました。
そして全体の傷取り、磨き直しと進みます。
が、今回はかなり深い傷や打痕があり、それらを完全に消すには形状が変わってしまうため、ある程度までで止めておきます。
傷取りをある程度のところまで進めたら、燻しを入れ直し、全体の磨き直し。
そんなこんなでリペアの完了したジッポがこちらです!
紛失したクロスの左右上部はまるで元からあったかのように収まっています。
クロス周りの燻しはご依頼主様のご要望でクロスのラインに沿って細めに残す事ですっきりとした印象にしました。
サイズもワックス原型の時と比べるとピッタリに。違和感がありません。
また、クロス自体についていた傷なども綺麗に取り除き、かなり綺麗な状態になりました。
蓋を開けた時も違和感はありません。
背面にも傷や打痕が多くありましたが、こちらも出来るだけ綺麗に。
流石に新品同様、とまではいきませんが、元の状態と比べると雲泥の差。
クロス部分が簡単に外れる事もありませんし、これで愛着を持って長い間お使いいただけると思います!
今回は傷取りまで行いましたが、破損部の修理のみで終わらせれば当然その分工賃も下がります。
(作業工程上磨き直しは必須ですが)
ご希望のご予算に合わせた作業内容の提案等も可能ですので、あなたが破損してしまったジュエリーやアクセサリーをお持ちでしたら、お気軽にお問い合わせ下さい!
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