ゴム型に関して

                                
2016.07.14

ゴム型に関して

焼きゴム型1
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オーダーいただいた結婚指輪の作り方紹介を進めているところですが、今回はちょっと箸休め的に、別の話題を。
と言っても、当然リングに関係している事ではあります。
今回はゴム型に関して書いてみたいと思います。

複製用のゴム型について

ゴム型、それは何かというと、アクセサリーやジュエリーを複製する際に必要不可欠なもの。
それを説明するには簡単な流れを知っていると理解しやすいと思います。

ゴム型製作〜複製の流れ

ゴム型の製作を含む複製の簡単な流れを説明すると、

1、原型を製作

地金、ワックスに限らず、作品の元となる元型の事。
ワックス原型の場合はキャストして金属にする場合と、そのまま型取りする場合がありますが、どちらにせよ、「それを元に型取りする」ものを原型と言います。

2、原型を元にゴム型製作

完成した原型からゴム型を製作します。
金属の原型の場合、「焼きゴム」を使用するのが一般的で、ワックスや樹脂などの原型の場合は「液ゴム」を使用しますが、どちらにせよ原型を利用して雌型を作ります。
そこで出来たものが「複製用のゴム型」というわけです。

3、ゴム型にワックスを流し込む

ゴム型に溶かしたワックスを流し込みます。通常は「インジェクションワックス」と呼ばれる融点や粘度の低い(つまり溶けやすく、溶けるとサラサラになる)ワックスを使用しますが、業者によっては「ハードワックス」を使用可能な場合もあります。
ハードワックスとは一般的にワックス原型を製作する際に使用する固めのワックス。粘度も高めで、溶かしても水のようにサラサラにはなりません。
ゴム型に流し込んだワックスが冷えて固まると、原型と同じ形状のワックスが出来上がるわけです。

4、ワックスをキャストする

型に流し込んだワックスが冷えて固まったものが複製用のワックス。
これを通常のキャストと同じ流れで金属にするわけです。
ちなみにキャストに関して詳しくはこちらをご覧ください。

全体の大まかな流れやゴム型の用途などについてはご理解いただけたと思います。
次は具体的にどんなゴム型があるのか?に関して書いていきます。

ゴム型の種類

ゴム型にも幾つかの種類がありますが、ここでは一般的に使用される2種類のゴム型について説明していきます。

1、焼きゴム型

専用のシリコンゴムを焼き固めて製作するゴム型。
焼きゴム型2
ゴムの種類や厚みによって変わりますが、約120℃〜140℃で数十分焼き固めることで、硬い粘土のようなシリコンゴムが硬質のゴムに変化します(加熱硬化)。
専用のアルミ枠にシリコンゴムと原型をセット(原型がシリコンゴムで埋まる形で)したら、「ホットプレス」という機械に挟んで焼きます。
ホットプレスはその名の通り上下でゴムのセッティングされたアルミ枠を挟み込み、温度を上げることでゴム型を焼き固める機械。
温度を上げることでゴムが膨らむので、上下からきっちりと押さえ込んでおく必要があるわけです。
まあそんな感じで、熱を加えることで固めるのが焼きゴム型です。

種類は様々で、色によって硬さや触り心地が変わります。
硬度、耐久性ともに後述する液ゴム型よりも優れますが、焼き固める際に収縮し、焼きあがった後のゴム型は約5%ほどの縮みが出ます。
なので、複製の際はその辺を考慮して原型を製作する必要があります。

2、液ゴム型

液ゴム型1
2液性のシリコンゴムを科学変化で硬化させる方法で、温度を上げる必要も圧力をかける必要もありません。
ただし、焼きゴム型よりも硬化に時間がかかる上、価格的にも高いです。
業者によって価格は変わりますが、通常の焼きゴム型の1.5倍程度といったところでしょうか。
液ゴム型の利点は熱を加えないためにワックスやアクリルなどから直接型を取れるところ。そして収縮率0%、つまり縮まないので、複製もしやすい、という点でしょうか。

※とはいえ、結局はキャストすると縮むので、ゴム型が縮まないからといって、原型を作る際に何も考えなくて良いという訳ではないのです。そこが難しいところ。

 

どちらのゴム型も固まってからメス刃などを使って切り込みを入れ、中の原型を取り出します。
画像のようにギザギザにカットしているのは当然わざとで、まっすぐにカットしてしまうとゴム型同士を合わせた時に滑ってしまい、うまくワックスを流すことが出来ないので、ゴム型同士がずれることの無い様にしているんです。

ゴム切りにはある程度の知識と技術が必要で、例えばインジェクションワックスを流した時に段差が出たり、気泡が入りやすかったり、ゴム切りの方法一つでかなり後の作業に影響が出るくらい大事な作業です。

そして、こんな風↓にゴム型をさらにカットして幾つかのパーツに分けることで、複雑な形状にも対応可能です。
液ゴム型2
ゴム型もカットする人の好みやこだわりが非常に出る部分で、初めて見るゴム型がどんな風にカットしてあるのか、何を思ってそこを切ったのか、など色々と考えながら見るととても楽しいです。マニアックですみません(笑)

ゴム型に関して、ご理解いただけたでしょうか?
具体的なゴム型を作る工程の詳細や画像などは今回割愛しましたが、機会があればまた書いてもいいですね。

色々と書いてきましたが、上記のような様々な事柄プラス、スペースやコストの問題等から、以前は自分で作っていたゴム型も現在は業者に依頼しています。

ゴム型の製作はご依頼いただいてもお断りさせていただきますが、業者を紹介する、くらいの事は出来ます。
オーダーアイテムのみならず、ゴム型やキャストに関しても分からない点などがありましたらお気軽にお問い合わせください!

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