ロウ付けについて

                                
2016.07.02

ロウ付けについて

ウォレットチェーンロウ付け
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オーダーいただいたネックレス(ペンダントトップ)の作り方紹介の最中ですが、今回は「ロウ付け」についてご紹介しましょう。
オーダーペンダントトップの作り方を進める上でもわかっていた方が良いですし、やはり彫金作業の花形、ともいうべき「ロウ付け」作業を実際にどんな感じで作業しているのか、気になる方も多いと思います。

ロウつけ

いよいよロウ付けに入りますが、まずはロウ付けとは一体何なのか?簡単に説明します。

ロウとは?

ここでいう「ロウ」とは、実際のアイテムの地金よりも融点の低い金属で、例えば銀であれば「銀ロウ」、金であれば「金ロウ」といったように地金ごとにロウがあります。
銀ロウの場合は「銀」に他の金属を混ぜる事で融点を下げていますが、混ぜる金属の割合によって溶ける温度が変わります。
銀ロウの場合、溶けにくい順に2分→3分→5分→7分→9分と幾つかの種類に分かれていて、さらに早ロウと言うもっと融点の低いロウもあります。

ちなみにこれ↓が銀ロウ。薄い金属の板状ですが、棒状のロウ材などもあります。
銀ロウ

ではなぜ温度違いのロウが存在するのか?
それは、一つの作品が複数のパーツに分かれていて何回もロウ付けが必要な場合、全て同じ融点だと最初に付けた部分が後で付ける際に外れてしまうため。
なので、例えば3回ロウ付けする場合は3分→5分→7分、といった感じで徐々に融点を下げていけば、うまくロウ付け出来るという訳です。

金の場合だと18金ロウ、14金ロウ、10金ロウなど表記が違い、またホワイトゴールドロウやプラチナロウ、と言うものもあります。

ロウ付けの方法

まずはロウ付けとは一体どうゆう原理なのか、簡単に説明します。
例えば2つのパーツをロウ付けしたい際に接合面同士を合わせて温度を上げ、そこに小さく切った板状のロウ材や棒状のロウ材を置く事でロウが溶け、パーツ同士を接合します。
あくまでもロウが溶けて接合しているので、厳密に言うと本体同士が一体化しているわけではありません。
なので、ロウ付けした部分は当然強度的には弱くなりますが、その辺は強度を下げないようなデザインやテクニックを駆使して製作するわけです。

さて、実際のロウ付けの方法に関してですが、
今回はシルバー、つまり銀ロウを使ったとロウ付け方法のご紹介です。地金が変わっても基本的に流れは同じですが、例えばプラチナの場合などはまた方法が変わりますので、あくまでもシルバーの場合、とご理解ください。

ロウ付けの準備として、まず各々のパーツを中性洗剤で洗って削った粉や汚れ、油分などを取り除いておきます。
次に「フラックス」と呼ばれる酸化防止剤を必要な箇所に塗る、または全体を浸けて下準備。

これがフラックス↓
フラックス
こちらはペースト状のものですが、液体のものもあり、アイテムの大きさや使う金属の種類によって使い分けます。

さて、実際にロウ付けする手順を(分かりにい画像ですみませんが)まとめたので紹介。

ロウ付け
左上が始め、右下が終わりです。

画像のものは2枚の板をはり合わせる「オーバーレイ」という技法ですが、基本的なロウ付けの方法と変わりません。

フラックスを塗った板同士を合わせて、バーナーで全体を温めます。このときに勢いよく火を当てるとフラックスがブクブクと蒸発して、位置がずれてしまう事があります。
なので最初は弱めの火を離し気味で当てて、徐々に温まってから全体を温めます。

フラックスが溶けたら、小さくカットした銀ロウを置きますが、この時のポイントは、下の面(画像だとGの文字の中)に銀ロウをくっ付けるように置かないこと。
このまま全体を温めて温度が上がっていくとロウが溶けて隙間に入り込んでいきますが(毛細管現象で細い部分に流れます)、面にくっつくように置いた銀ロウは一部が溶けきれずに後で多少の出っ張りとして残ってしまう場合があるんです。
なので、ロウは横の壁に立てかけるように置くのが良いと思います。

それから、当然温度が上がりすぎると本体が溶けます。
画像真ん中の段の右の写真はマックスまで温度が上がった状態。このロウ付けには「3分ロウ」を使用しましたが、3分の場合このくらいまで温度を上げる必要があります。
ただ、本体が赤くなることにビビって温度を上げきれずにいると、いつまでたってもうまくロウが溶けない、という状態に陥りますので、ある程度の勢いというか思い切りも必要かもしれません。

そうして全体の温度が上がりロウが溶けたら火を止め冷やしてから酸洗い。
希釈した硫酸に数分間つけることで、表面の酸化皮膜を取り除きます。

上の画像の右下の写真では表面が銀色になっていますが、これは酸洗の後に紙やすりで磨いたため。
通常酸洗い後は表面が白くなっています。

長くなりましたが、こんな感じでロウ付けを行っています。
このロウ付けは彫金作業では必要不可欠な技法なので、これから彫金を始めようと考えている方、ぜひ参考になさって下さい!

今回のロウ付けを踏まえて、また次回からオーダーいただいたネックレス(ペンダントトップ)の作り方紹介を進めていきますので、お楽しみに!

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